加熱したチーズ香気の分析

2014年4月10日 技術レポート

チーズは生食でも美味しいが、ピザやグラタンなど焼き色が付くまで加熱することで独特の香りを生じ食欲をそそる。この香気は肉やポテト、カラメル様の特徴を有する。本研究では、この食欲をそそる香りの解明を試みた。加熱したチーズからSAFE法により香気濃縮物を得た。香気濃縮物を機器分析した結果、butanoic acid, 2,3-butanediol, 2-heptanone, acetic acid, phenylacetaldehyde, 2-nonanone, furfuryl alcoholを主成分とする114成分を同定した。香気濃縮物をGC-sniffingした結果、12種の強い匂いを検知した。これら特徴香を有する領域をキャピラリーGC分取装置(PFC)にて捕集し、官能評価ならびに機器分析により香気寄与成分を検討した。

(第52回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 中本)

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