淹れたてコーヒーの香りに関する研究

2014年3月10日 技術レポート

コーヒーは淹れたて時にとりわけ良い香りを放つが、そのフレッシュな香りは短時間で急速に損なわれてしまう。本研究では、コーヒーのヘッドスペース香気を淹れたて直後から段階的に(0-5, 5-10, 10-15, 15-20, 20-25, 30-35分)捕集し分析した。
GC-Sniffingにより、淹れたてコーヒーの特徴香気成分は acetaldehyde, isobutanal, 3-(methylthio)propanal, 3-methyl-2-buten-1-thiol, 3-mercapto-3-methylbutyl formate であることが示唆された。特徴香気成分のひとつである低沸点アルキルアルデヒド類(炭素数2~5)について成分量の経時変化を調べた結果、いずれの成分も経時とともに著しく減少したことから、acetaldehydeをはじめとするこれらのアルデヒド類がコーヒーの「淹れたて感」に大きく寄与していると推察した。
(第 54 回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 発表 庭野)

« »