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粉砕したワサビの香気変化
2014/11/27・技術レポート

ワサビを粉砕すると特有の刺激臭が印象的に感じられるが、次第に青臭さや生臭さを帯び,時間とともにワサビらしさが失われる。本研究ではそのような香りの変化について検討した。ワサビの主要香気成分として知られるallyl isothiocyanate(allyl NCS)をはじめとしたイソチオシアネート類の粉砕後の量的変化について調べたところ、いずれも粉砕直後から増加し始め、10分後からは減少する傾向が見られた(図1)。中でもallyl NCSやisopropyl NCS,またbutyl NCSは10分後から60分後にかけて減少する傾向が顕著に見られた。それに対し4-pentenyl NCSや5-hexenyl NCSは、10分後から15分後にかけては大きく減少したものの15分後からは前者は緩やかに減少し、後者はほとんど変化しなかった。粉砕後60分経時したワサビから得られた香気濃縮物をAEDAすると、ともに生臭い香調を有するdimethyl tetrasulfideやdimethyl trisulfideがその香気に大きく寄与していることが分かった(表1)。これらの結果より粉砕後のワサビの香気はイソチオシアネート類の経時変化の違いおよびsulfide類の生成により変化することが示唆された。(第54回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 大西)

図3