トピックス

シシユズ(獅子柚子)の香気成分
2015/04/30・技術レポート

シシユズ(Citrus pseudogulgul Hort. ex Shirai)はカンキツ属、初生カンキツ亜属のザボン区に属する香酸カンキツである。果実は600gから1000gになる大形で、表面には著しい凹凸を持つ。11月頃に黄色化し、フローラルで甘酸っぱく、スパイシーで独特のグリーンな香気を発する。本研究では、シシユズの果皮から溶剤抽出により精油を調製し、その特徴的な香りを調査した。

精油をGC-O分析に供した結果、高いFD値を持つ成分として、Linalool(花様)、Gerシシユズ図1aniol(ローズ様)、Sotolon(カラメル様、カレー様)、Octanal(カンキツ様)、Thymol(スパイス様)、Methyl jasmonate(花様)、および、グリーンでフラベド様の匂いを有す未知成分が検知された。この匂いは柑橘の果皮を連想させ、未知成分はシシユズの香りを特徴付ける重要な要素と考えられた。そこで、この未知化合物をGC-PFCにより単離、詳細に分析した結果、柑橘類の果皮精油からこれまで報告がない (E,Z)-2,8-Tetradecadienalであること明らかにした。

(第58回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 中本)

挽きたてコーヒー豆の香りに関する研究
2015/03/31・技術レポート

挽きたてのコーヒー豆から立ち上る香りは、軽やかな甘さとやわらかな芳ばしさが特徴的だが、時間が経つと重くコゲ臭い香りになる。本研究では、コーヒー豆の挽きたての香りに寄与する成分について検討した。挽きたての豆と、挽いた後しばらく時間が経った豆のヘッドスペース香気についてGC匂い嗅ぎ分析,AEDA*を行った。挽きたての豆において、低沸点のアルデヒド類,α-挽きたてコーヒー豆の香りに関する研究図1ジケトンのFD値が、経時させた豆に比べ顕著に高く、挽きたての匂いへの寄与が高いことが明らかになった。挽きたてではない豆にそれら成分を添加すると、挽きたての香りが再現された。このため、低沸点アルデヒド類やα-ジケトンがコーヒー豆の「挽きたて感」に寄与していることがわかった。

AEDA*:Aroma Extract Dilution Analysis

(第58回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 高木)

焼き芋の香気成分について
2014/12/08・技術レポート

生のサツマイモが土臭く味気ないのに対し、加熱したサツマイモには甘さや香ばしさ、ホクホクした食感があり、私たちの食欲をそそる。とりわけ、焼いている最中に漂う香りは印象的である。そこで、焼き始めから焼き終わりまでのヘッドスペース香気を経時的に評価分析し、「焼き芋らしい香り」とは何かを探った。 続きを読む・・・

粉砕したワサビの香気変化
2014/11/27・技術レポート

ワサビを粉砕すると特有の刺激臭が印象的に感じられるが、次第に青臭さや生臭さを帯び,時間とともにワサビらしさが失われる。本研究ではそのような香りの変化について検討した。 続きを読む・・・

口中における香気成分の揮散と化学構造との関連
2014/10/17・技術レポート

食べ物を飲食する前と飲食しているときでは、香りの印象を異なって受ける。その要因の一つとして口中での香気揮散に対する唾液の影響が報告されている。このような揮散への影響は香気成分の炭素数および官能基等の化学構造や、沸点、溶解度等の物性によって差異があると考えられる。本研究では口腔内モデル装置により、飲料素材に添加した香気成分の揮散率を同族体別に測定し、口内における香気成分の揮散率と化学構造および物性の関連について考察した。 続きを読む・・・

沖縄県産パインアップルの香気成分
2014/09/22・技術レポート

沖縄県の主要果樹であるパインアップルは、県北地域や八重山諸島を中心に経済栽培されています。主要品種はN67-10で栽培面積の約60%を占め、生食用や加工用に利用されています。沖縄県では、パインアップルのさらなる消費拡大や普及に務めるべく、高品質かつ個性豊かなパインアップルの育種に取り組んでいます。本研究では、沖縄県産パインアップルの高付加価値化につながる情報を獲得することを目的に、6品種のパインアップルから香気成分を抽出し、その香気の特徴についてGCxGC分析により調査しました。 続きを読む・・・

梅干し特徴香気の揮散量
2014/08/20・技術レポート

梅干しは日本人になじみ深い食材で、独特の風味は口の奥を刺激し、思わず唾液が出てしまう。本研究ではAEDAの結果より、acetic acid, 1-octen-3-yl acetateを梅干しの特徴香気成分に選定した。 続きを読む・・・

飲料に賦香した香料成分の揮散挙動
2014/07/18・技術レポート

飲料を飲む時の香りは、口に入れた直後に強く,その後次第に弱く感じるようになる.その印象の変化を香気成分の減衰挙動として捉え,モデル系を用いて科学的に表現する手法の開発を試みた。 続きを読む・・・

バナナの咀嚼時における口中香気
2014/06/18・技術レポート

嚥下前後と咀嚼している間の完熟または未熟バナナから口中に揮散する香気を直接GC/MSに導入し成分分析した。咀嚼している完熟バナナにおいて,全香気成分の口中への揮散量は 続きを読む・・・

醤油加熱時の香気生成に関する研究
2014/04/28・技術レポート

醤油は日本の代表的な調味料の一つで、その利用法は豆腐や刺身にそのまま使うだけでなく、煮物の味付けや焼きとうもろこしのタレなど多岐にわたっています。醤油は特有の塩辛い香気が魅力の一つであり、加熱時に生じる甘くカラメル様の香気は食欲をそそられます。 続きを読む・・・