焙煎したアーモンドの特徴香気成分

2014年2月20日 技術レポート

焙煎したアーモンドの特徴香であるロースト臭について詳細に調べるため,ソックスレー抽出により得た香気濃縮物を減圧蒸留により3つに分画し(Fr.1, Fr.2, Fr.3),各分画物に対して機器分析を行った。他のフラクションに比べロースト臭が有意に強く感じられたFr.3をAEDAした結果,21成分を検知し,そのうち2-acetyl-1-pyrroline(1),2-propionyl-1-pyrroline(2),2-ethyl-3,5-dimethylpyrazine(3),2-ethyl-3,6-dimethylpyrazine(4),2,3-diethyl-5-methylpyrazine(5),2-acetyltetrahydropyridine(6),2-propionyltetrahydropyridine(7),2-methyl-3-(methyldithio)furan(8)の8成分がロースト様香気を有していることが分かった(図1)。これらの結果より,焙煎したアーモンドのロースト臭には上記8成分が大きく寄与していることが示唆された。(第56回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 発表 大西)

図1. Fr.3のAEDA結果(上)
ロースト様香気を有していた成分(下)

« »