燻煙の香りに関する研究

2019年1月25日 技術レポート

燻製することにより、食品には燻煙の味や香り、色が付与され、嗜好性や保存性が向上する。燻煙は使用する木材の種類によって香りが異なり、食材に合わせて木材を使い分けることもある。本研究では、木材ごとの燻煙の香りプロファイルを把握し、それらの特徴に寄与する成分を調査した。国内で燻製に使用されることの多いサクラ、ナラ、ブナ、クルミ、リンゴ、ヒッコリーのチップから燻煙を採取し、香りを評価したところ、それぞれに特徴が見出された。燻煙の香りの評価スコアと、機器分析により得られた情報を用いて主成分分析したところ、サクラの燻煙に独特なフローラルさに寄与する成分や、燻煙全般のコゲ臭や薬品臭に関わる成分など、木材独特の香りや、燻煙全般の香りの特性に寄与する成分が見出された。

(第62回 香料・テルペンおよび精油科学に関する討論会 高木)

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