カシマゴール麦茶の香り

2020年2月28日 技術レポート

麦茶は日本で昔から親しまれている飲料の一つで,焙煎した大麦を煮出して作られる。焙煎中に糖類とアミノ酸の加熱反応が起こり,香気成分が形成され,さらに煮出すことによって麦茶の複雑な香味が生じる。本研究では,香り高いと評されているカシマゴールの麦茶の香りを分析し、主要品種の麦茶と比較して特徴香を探索した。

官能評価からカシマゴール麦茶はスモーク様の香りが特徴であることがわかった。この香りに寄与する成分をAEDAにより探索したところ,4-vinylguaiacolやguaiacol, 2,6-dimethoxyphenolなどフェノール類のFD値が主要品種よりも高かった。フェノール類はスモーク様の香りを有することから、これらの成分がカシマゴール麦茶の特徴香を形成すると考えられた。

 

(第63回 香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会 笠松)

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